田舎暮らしのコミュニティ論
新宿から車で4時間と離れていないのに、東京とこちらの生活環境とでは大きく違う。
都会は人で溢れているのに、ほとんどの人が出会うことなくすれ違っている。プライバシーと引き換えに孤独を感じることもある。プライベートな時間はあるけれどどこか退屈。時に消費によって退屈を埋めようとする。
一方で、地方は人は少なく人間関係は密である。近所付き合いや自治会、消防団など。自治会ではほぼ毎月なにかしらの集まりがある(防災訓練、町内清掃、お祭りなど)。強制参加ではないものの、だいたいの世帯が参加している。
インフラにしてもサービスにしても、地方は都会ほど便利ではない。ある程度のことは自分たちでやる必要がある。持ちつ持たれつで暮らしが成り立っている。
都会の暮らしも地方の暮らしも長所と短所がある。単にどちらが良いとはいえない。都会向きの人もいれば田舎向きの人もいるだろう。
そのいいところどりで都会と田舎に家を持って行き来している人もいる。これをマルチハビテーションという。ロシアのダーチャのように地方に農地付きの別宅を持ち、週末に農業をする人もいる。都会とこちらとの行き来が面倒になって、こちらに移り住んでしまったという人も実際多い。
ライフスタイルはますます多様化していく。これからの時代を生き抜くためには柔軟性が必要なのかもしれない。