オーストリア的エコライフ(都会編)
個人的な用事と観光を兼ねて、3週間程オーストリアに滞在した。
カンガルーのいる国ではない。
ウィーンが首都で、かつてはハプスブルク帝国として栄えた。
二度の大戦により領土は縮小し、現在の国土は北海道と同じくらい。
小国ながらも経済は安定していて、失業率もEU加盟国の中では低い。
公用語はドイツ語。
有名人では、W.A.モーツァルト(作曲家)、エリザベート(皇后)、ジークムント・フロイト(精神科医)、グスタフ・クリムト(画家)、アーノルド・シュワルツェネッガー(シュワちゃん)など。
世界の暮らしやすい街ランキングでは、ウィーンは常に上位にランクイン。
また、住民の生活満足度ランキングでも世界トップとか。
一体その秘密は何なのだろう。オーストリア滞在中に見聞きしたことを紹介する。
滞在先は、国の東側に位置するウィーンと、西のスイス国境に位置するフォアアールベルク州。言うなれば、オーストリアにおける”都会”と”地方”である。
・ウィーン
ドナウ川の流れるコンパクトな町である。大都市特有の喧騒はなく、空気は思いのほか澄んでいる。
広い公園には、たくさんのベンチや広い芝生がある。
人々は腰掛けて、本を読んでいたり、昼寝していたり、サンドイッチを食べていたりと、思い思いの時間を過ごしている。耳を澄ますと鳥の声が聞こえる。
現代美術館近くの広場には、座ったり寝転んだりするためのユニークな形のブロックがあり、歩き疲れたら休むのにちょうど良い。Wi-Fiも自由に使える。
ウィーンは音楽の都というだけあって、様々なコンサートやオペラ、美術展やアートイベントも目白押し。無料のイベントも多く催される。
ニューイヤーコンサートで知られる”ウィーン楽友協会”も安い席であれば26ユーロ(¥3,500くらい)で聴くことができる。当日売られる立ち見席なら10ユーロかからない。オペラも同様に安く観られる。
下の写真は、ウィーン中央駅近くに建設中の斬新な建造物。
工事現場の貼り紙によると、テナントには銀行などが入る予定で、建物内で使用される電気は全て自然エネルギーとのこと。
かつて建設されはしたものの国民投票によって否決され、一度も稼働することはなかった。素晴らしい。*1
原発が無い代わりに自然エネルギーをうまく利用しているようだ。
ウィーンからブダペストへ向かう列車からは無数の風力発電機が見えた。
ミュンヘンの方では、大規模な太陽光発電機を見かけた。また、かなりの率で家の屋根にもソーラーパネルが設置されていた。
いたるところに緑があり、都会でありながら自然との共生を感じる。
かつ、芸術や文化も安く享受でき、他国の大都市に比べて物価もそこまで高くない。
レ ストランで食事をすれば高くつくが、お店でパン*2と食材*3を買えば、自分で手軽に安くて美味しいサンドイッチを作ることができる。
街中には使わなくなった衣服を入れるボックス設置されていて、NPOによってこれらの衣服は寄付されるそうだ。
なるほど。けっこうなエコシティである。
(地方編につづく)