北陸新幹線開業について思うこと
北陸新幹線の開業に沸いている。
メディアは華々しく報道しているが、新聞の記事を読んで違和感を覚えた。
記事によると、北陸新幹線開業で、東京-金沢間が最短2時間28分で結ばれるようになり、所用時間がこれまでより1時間23分短縮されたとある。
未開の地へ路線が引かれるのであれば感動もあるだろう。
しかし、1時間半の短縮である。それって、すごいことなのだろうか。
長野-金沢間228㎞の建設費は1兆7800億円かかったという(朝日新聞朝刊3.15)。
社会保障の充実などもっと別の使い道もある気がする。
1時間半さえ省かなければならない社会というのはどうなのだろう。
しかも、時間を短縮したつもりが、実際はますます忙しくなるのではないか。
たとえば、ビジネスでこれまで東京から金沢に泊まりで出張に行っていたものが、日帰りで済むようになる。
そうなると、とんぼ返りで残業である。ますます仕事量が増える。*1
中央新幹線計画についても実現すれば同じことが言える。
楽になるはずが、逆に苦しくなるというパラドックス。
悲観的すぎるだろうか。
技術の進歩は否定しないが、それ以前に社会の構造そのものを疑う必要があるのではないか。
時間に余裕を持てる社会へと変えていくにはどうしたらいいのかを考えるべきだと思う。
筆者は、お金はないけれど時間はあるので、鈍行列車を利用したい。
新幹線に追い越されても一向に構わない。
*1:ビジネスの語源は"忙しさ"を意味する"busy ness"。忙しさはサラリーマンの宿命か…