長野でWWOOF③ 薪ストーブと格闘
何日か過ごすと当初の不安も消えていった。
ホストファミリーとWWOOFerの仲間ともだんだんと打ち解けてきた。
畑仕事は、肉体的にきつい作業もあるけれど、美味しい料理を食べて、温かいお風呂に浸かって、よく眠れば、疲れは取れる。
毎日、農場で獲れたりんごが食卓に上るが、とにかく美味しい。
甘くて味が濃くてみずみずしい。食べると元気が湧いてくる。
あれだけの手間と愛情を込めて作っているのだから、これだけの美味しさも頷ける。
ホストファミリーについて書いておこう。
ホストは、人と人とを繋げてしまうスゴイ人。
筆者がB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)の経営に興味があると話すと、「それなら、〜さんに会うといいよ」と、ゲストハウスを経営している知り合いにすぐに電話して引き合わせてくれる。
とても親切で、知識や情報を誰にでもどんどんシェアしてくれる。
そんなわけで、家には毎日色々な人が訪れる。どうりで子供たちが人見知りしないわけだ。
子供たちはとにかく逞しい。
筆者がホストから薪ストーブに火をつけるように言われて試みるも、やったことがないからどう火をつけたらいいか分からない。
薪ストーブと格闘していると、かの末っ子が「おしえてあげる!」と、あっという間に薪ストーブに火を起こしてしまった。これには筆者赤面した。
WWOOFerの仲間もユニークで楽しい顔ぶれ。
一緒に自転車で出掛けたり、トランプをやったり、たくさん話もした。
ちょっとニヒルなイギリス人のWWOOFerは、ロンドンの会社でデスクワークをしていたが、仕事のストレスから退職し、いまはWWOOFをしながら世界中を旅しているという。最近、日本人の恋人ができたそうで、彼女のことを尋ねると「ウフ❤」と、惚気ていた。*1
台湾から来た女性も会社勤めを辞めて、好きな山を追いかけて安曇野に来たそうだ。WWOOFerとして農場で働いて数ヵ月経つが、このままここに移住したいと話していた。日本のお笑いが大好き。
初日にアフロヘアで迎えてくれたアメリカ人は、実際に話をすると驚くほどクレバーで、筆者が知らないようなことも色々知っている。年齢を聞けば19歳!
ギャップイヤー*2を利用して、あちこちでWWOOFをしているそうだ。
母親が日本人で流暢に日本語を話す。梅干しに目が無い。
日本人の大学生は、就職前の春休みを利用してWWOOFに来ていた。
農作業の後、家の近くの広場で大人も子供も一緒にサッカーをした。
広場といってもサッカーゴールがあるわけでもない。
夢中になって遊んでいると、いつの間にか日が暮れかかっていた。
「よし、次のゴールで帰るぞ〜。」
山々が赤く染まる中、みんなでサッカーボールを追いかけた。