リアルタイム移住日誌

神奈川県から長野県の安曇野へ移住した、“ちょっと理屈っぽい筆者”のリアルタイムな移住記録。

地方消滅(!?)

書店でたまたま見つけた『地方消滅』増田寛也著、中公新書)。

えっ、消滅しちゃうの!? 地方移住を考えている筆者にとってショッキングなタイトルである。

本の紹介文には、若年女性人口の減少からこのままでは896の自治体が消滅しかねない、とある。気になったので買って読んでみた。

日本は2008年をピークに人口減少に転じ、これから本格的な人口減少社会に突入する。このまま何も手を打たなければ、2010年に1億2806万人であった日本の総人口は、2050年には9708万人となり、今世紀末の2100年には4959万人と、わずか100年足らずで現在の約40%、明治時代の水準まで急減されると推計されている。(P2)

人口減少は、日本の人口過密状態を解消するので、むしろ望ましいのではないか?

と思うがそうではないらしい。

日本の人口減少には、地方から大都市圏(特に東京圏)への「人口移動」が深く関わっていて、地方は人口が急減するが、大都市圏は現在以上に過密になる。その不均衡が何より問題であるという。

著者は、人口が東京一極に集中する社会を「極点社会」と名づけ、地方の人口を吸い上げる東京圏を人口のブラックホールに喩える。

地方から東京圏へ若者が流れ込み、地方は苦境に陥る。一方、東京圏は安泰かといえばそうではない。

東京圏はじめ大都市は、今後急速に高齢化が進み、医療や介護サービスが圧倒的に不足するおそれが高い。(P58)

東京の出生率は、2013年で1.13と全国で一番低く、次いで、京都府の1.26。最高は沖縄県の1.94。

概して、大都市圏より地方圏のほうが出生率が高いとのこと。

たしかに、東京圏は生活費がかかるだけでなく、その過密さ故のストレスも多い。

子育て環境としては決して良いとはいえない。

にもかかわらず、大都市に若者が流入する背景には、魅力ある雇用機会が地方に少ないこと指摘する。

こうした危機的状況に対し、著者の提案は、

地方において人口流出を食い止める「ダム機能」を構築し直さなければならない。同時に、いったん大都市に出た若者を地方に「呼び戻す、呼び込む」機能の強化も図る必要がある。地方の持続可能性は、「若者にとって魅力ある地域かどうか」にかかっているといえよう。(P48)

地方中核都市を最後の「踏ん張り所」として、地方から東京への人口の流入を防ごうというものだ。

若者にとって魅力的な町であるために、地方中核都市は、「ミニ東京」を目指すのではなく、その町の特色を生かした取り組みが必要になる。

まだ移住を実現していない筆者であるが、

いずれ地方で魅力ある町づくりに微力ながらも貢献できたらいいなぁ。